新たなダイエット治療薬として、2023年4月に発売開始されたマンジャロ。従来のGLP-1 受容体作動薬と比べ、どのような違いがあるのでしょうか？今回は、マンジャロとはどのようなお薬なのかを医師が解説いたします！
GIP/GLP-1受容体作動薬「マンジャロ」はどんな薬？
ダイエットを成功させるためには「適度な運動」や「食事制限」が必要です。しかし、忙しい人にとっては、これらを継続して続けるのは大変です。そして、制限ばかりの生活では仮にダイエットが成功してもリバウンドしてしまうかもしれません。
そこで、GLP-1と呼ばれるホルモンを利用した注射でダイエット効果を得られる「GLP-1ダイエット」と呼ばれる医療ダイエットがあります。医療ダイエットに使用されるのは「GLP-1 受容体作動薬」と呼ばれるお薬ですが、2023年4月に新たに「マンジャロ」と呼ばれるお薬が登場しました。
マンジャロは痩せるホルモンの「GLP-1」だけでなく「GIP」も配合されており、有効成分は「チルゼパチド」です。週に1回自分で皮下注射することで、インスリン分泌を促し血糖値を下げる働きをします。
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マンジャロの効果
マンジャロは次の働きをすることで、効果的な減量が期待できます。
インスリン分泌を促し血糖値を下げて、食欲抑制や満腹感の維持、脂肪燃焼作用があるのは、従来のGLP-1治療薬と同じです。これらの効果に加えて、マンジャロでは、新たに「GIP」と呼ばれる痩せるホルモン作用を利用して、糖尿病の指標にもなる「HbA1c」の低下を促します。
HbA1cは、過去2か月程度の血糖の状態を評価する指標であるため、慢性的に血糖値が高い人はこの数値が高く出ます。
従来のGIP-1受容体作動薬とGIPの違い
マンジャロは世界で初めてGIPとGLP-1の2つのホルモンを利用した治療薬です。従来の治療薬にも使用されているGLP-1（グルカゴン様ペプチド-1）は、小腸下部から分泌されるホルモンで、インスリンを分泌して血糖値を下げる働きをします。その他の効果については前述の通りです。
一方、GIP（グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド）も小腸から分泌されるホルモンですが、これは小腸の上部から分泌されます。GIPもGLP-1のようにインスリンの分泌を促したり、食欲を抑える働きがあります。
最近の研究で、GIP受容体作動薬で血中のGIP濃度を上昇させると、肥満を軽減することが明らかになっており、マンジャロではこの薬理作用も利用された新しい治療薬です。
まとめ
マンジャロは「GLP-1」「GIP」の2つの痩せるホルモンを利用した治療薬です。従来の治療薬ではダイエットに伸び悩んでいる方は、マンジャロも選択肢に含めてみてはいかがでしょうか？
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